2013年11月27日水曜日

マジックの目

二度と巡り会うことのないひとを
いま失います
くるくるパニック
私を狂わせて

最高のひとを
みすみす手放して
最低の自分を手に入れます

季節変わりの広告が白い歯を光らせて
足元の薄暗い闇の小さなゴミを
見ています

日常茶飯事は
いつでも目くらまし
さあ
言い訳を考えて!
きみが最低の自分を
見捨てずに付き合っていけるように

はい
見極めないで
まぶたに描いたマジックの目で
すべてを見渡せますか




2013年11月26日火曜日

ひとりというとり

ひとりというとり
かわいいことり
いろとりどりの
ふくをきる

ひとりというとり
さびしいときは
ともだちひとり
よんでくる

ひとりというとり
おっとりしてる
とりつくしまの
いえにすむ

ひとりというとり
とりえはなあに
イスとりゲームは
つよくない

ひとりというとり
じぶんがきらい
とりかえたいな
べつのとり

ひとりというとり
ねむっているよ
ひとりもいない
きみひとり

2013年11月25日月曜日

竹とんぼ

あなたが声をかけてくれたから
私はもうこのまま死んでしまってもいいと思った
階段を降りながら
速さはつまみで調整するんだ   と
言っていたあのひとの指先と立ち姿を頭に描いていた
ふわふわの家猫ちゃん
しっとりとこの世を去るチャンスは
そうは多く来ないでしょう
新しい名前のビルの窓の外の梁から
もうじき雨で濡れるだろう固められた地面へと
真新しい竹とんぼを飛ばす

2013年11月24日日曜日

りんりんりんりん


りんりんりんりん
夜の街に
太陽がいないなら
君が代わりに
りんりんりんりん

はい、おしまい

りんりんりんりん
尖った貝殻
貝に見捨てられ
砂に沈んでいく

はい、おしまい

りんりんりんりん
世の中と
仲間になると
混ざってねっとり

はい、おしまい

りんりんりんりん

りんりんりん
りんりんりん

2013年11月23日土曜日

11月の集会




たまにはみんなで集まって
ワイワイガヤガヤやりましょう
知らないひとがまざっても
きょうは仲間にいれましょう

たまにはみんなで集まって
普段のことを話しましょう
知らないひとがきいたなら
おもしろいなとおもうでしょう

たまにはみんなで集まって
好きなことだけ話しましょう
お喋りするのに夢中なら
自然と夕日は落ちるでしょう

たまにはみんなで集まって
笑顔で手を振り別れましょう
また会いましょうと口々に
後ろ歩きで帰りましょう

2013年11月22日金曜日

だれかかくれているのかな


きのかげに
だれかかくれているのかな

いいえ

だれもかくれて
おりません
われたきいろいふうせんが ひとつ
おちているだけ

へいのむこう
だれかかくれているのかな

いいえ

だれもかくれて
おりません
みずたまりが かぜにゆれて
わをかいているだけ

くものうえ
だれかかくれているのかな

いいえ

だれもかくれて
おりません
なみのおとが とおくにきえてく
ばしょがあるだけ

2013年11月21日木曜日

朝が来ています

夜になると暗くなります
暗くなると夜になります
夜になると夜ご飯を食べます
夜ご飯は夜に食べます

朝になると明るくなります
明るくなると朝になります
朝になると朝ご飯を食べます
でも朝ご飯を食べなくても
朝は来ています

朝が来なくても
朝ご飯がない部屋にも
朝が来ています

2013年11月20日水曜日

5ぶんの3

きょうはふだんしていること
ぜんぶさぼって
でんしゃにのればしらないまち
そこからさらにすたすたあるいて
やねをしたにみて
ロープウェイにのれぱ
わたしのすむまちがひろがる
さらにそのむこうにこうそうびる
うみがけしきのいちばんうえに
よこたわっている

でんしゃでがっこうにかよう
しょうがくせいは
かばんにけいたいをぶらさげて
ピンクのけいとであやとりしてた
どんなちえをまなべは
しあわせになれますか
おしえてよ

やまのうえのどうぶつえんの
かこいのなかのしか
おおきなひとみが
わたしをみると
なにかこたえをいいたくなるよ

きょうはいつのまにかひぐれ
わたしははじめてはいったきっさてんで
せかいのりょうしんとあくいについて
かんがえていたが
イチゴジュースをすいこむたびに
かんがえはきりかわっていく

とおくで
きらきらひかっていた
かわのながれ
いま
めをつむるとわたしのなかにあるが
わたしはそれをぬすんできたの?
いや
まもっているだけだ
いいきかせて
みせをでて
じぶんのへやをめざして
いともくさんににかえりつく
そんないちにちの

5ぶんの3

2013年11月19日火曜日

いのち

はねている
はずんでいる
きみのからだ
なかからだれかが
でてきそう

ふくらんでる
ひかってる
きみのほっぺ
いつかほおずえ
つくのかな

みつめている
おいかけてる
きみのひとみ
きづかれたって
へいきなんだね

ないている
わらっている
きみのまいにち
いつまでも
しゅじんこうでいて

2013年11月18日月曜日

進むのだ

失敗しても進むのだ
できないだろうと思っても
やりたいことは覚えてる
どんなに邪魔が入っても
泥道雪道いばらの道も
ズンタカタッタ進むのだ

失敗しても進むのだ
やりたくないと思っても
やりたい気持ちはここにある
煮え湯のまされ干されても
砂漠も荒野も嵐の夜も
気にせず無心で進むのだ

失敗しても進むのだ
心が痛みつづけても
鼓動が打っていればいい
裏切り傲慢ひとでなし
愛するひとから引き裂かれても
あきらめないで進むのだ