季節は一進一退で
入れ替わっていく
人は
おやすみなさい とさっき言って眠ったのに
もう おはよう と言っている
だが その間に
昔むかしの夢を見た
自分が出てこない夢だ
2013年4月23日火曜日
2013年4月22日月曜日
詩のメモ
もうずいぶん沢山眠ってしまったものだと
布団から半身起き上がり
目を凝らして暗闇の時計を見ると
まだ1時間しか経っていなかった
頭が痛いので
やることがあったけれど
もう少し眠ることにした
2、3時間眠っておき上がってみると
10分しか経っていなかった
それから約4時間眠って
眠りながら詩を考えた
時間に関する詩だ
起きてメモを取り
それからまた1時間ほど眠った
起き上がると
そこは自分の部屋のベッドだった
書いたはずのメモは
どこにもなかった
2013年4月21日日曜日
誰かと繋がっていることが
誰かと繋がっていることが
鮮明に分かる時がある
時に 身じろぎもしないで
深夜の寝台列車の揺れを
共有している
いや
共有しているのは
深夜の寝台列車の揺れではなく
地を這っていく感情だ
月に冷やされて
キキ キーと
金属質の摩擦音を発するその感情
射的場の的に向けて
息を合わせて
玉を打ち込むときの
苦い唾
2013年4月20日土曜日
蕎麦をすする音
ぬるい場所に冷たい雨が降って
キノコが夜に育ちます
人はもう発狂寸前ですが
むしろそれは正常だと言わねばならぬでしょう
雨はいろんなことを「なかったこと」にして
雨天のため中止という看板が雨に濡れています
かわいいあの子という人が
箱詰めにされサイズを測られ宅急便の荷物になって
濡れた道を運ばれてゆきます
河合その子とは関係ないでしょう
かわいいあの子は私が継続的に好きな人です
夜の帳というのがあると噂された町には
少し前の時代のナウい人びとが往き来して
ちょっとした喧噪です
闇市で売っていそうなラジオも鳴っています
妄想の畑でキノコ雲が夜に育ちます
妄想の畑でキノコ雲が夜に育ちます
私は深呼吸して湧き水を飲み干し
鳥の形をしていない鶏肉を炒めます
昆布の揺れる海鳴りに耳を澄まします
老詩人は昨日から日本海の島へわたり
自ら作った詩を朗読し
気分よく酩酊して布団に入り目を瞑りました
ある線路脇のビルの一室では
コンビニの蕎麦が食べられようとしています
コンビニの蕎麦が食べられようとしています
その間
世界は
蕎麦をすする音に置き換えられてしまうことも
知らないで
2013年4月19日金曜日
あなたの悩み
あなたを苦しめる
冷たいあの人は
あなたのそばから
いなくなることはない
あなたを悩ませる
いやらしいあのひとは
あなたの心から
立ち去ることはない
あなたが大すきな
愛しいあのひとは
さよならを
いつ切り出そうか
迷ってる
2013年4月18日木曜日
青空へ
自転車をこぐ音は
きみがやってくる音
背中から近づいて
すぐ脇を追い越していく
空から小鳥が
眺めていたって
教室の窓から見える
通学路の並木道
なんど通ったのだろう
きみのこと追いかけるように
窓から小鳥が
歌っていたって
この町の空の上
風とともに
季節は巡り
きみはここを出て行く
空から小鳥が
眺めていたって
小さい私たちの
大きな未来
仰ぎ見れば
涙の向こう
滲んで見えている
青空
2013年4月17日水曜日
そこだけあたたかい
こうしたらうまくいく
ということが
どうしても
やりたくなくて
うまく生きていくことから
どんどん
遠ざかってしまう
いやな性格
よく分かっている
あなたはあきれて
ため息をついていた
いやみをぶつけて背を向けて
でも
こうしたらうまくいく
ということは
つまらないことばかりで
あなたは私を見て
よく笑ってた
時に指を指して
私も一緒になって
笑ったけど
涙が頬で乾いて
そこだけが寒くて
そのあと
あたたかい指が
私の上に寄り添った
2013年4月15日月曜日
首をかしげてあなたを見るのは
首をかしげて
あなたを見るのは
そうじゃなきゃいけない
理由があるの
まっすぐ見ないのは
恥ずかしいからじゃない
私 鳥だから
正面から見るなんて
できないの
神様が
そこがいいよ って
いってくれたから
*
言葉じゃなくて
ハミングするのは
それがいちばんいい
そうおもうの
おしゃべりしないのは
嫌いだからじゃない
私 鳥だから
手紙を書くのも
できないの
パパ ママが
文字はいらない って
話してくれたから
手紙を書くのも
できないの
文字はいらない って
話してくれたから
2013年4月14日日曜日
宇宙の小石
上手に生きないと
幸せになれないと
知らされた日
私は自分に誓った
縁ある仲間を守るために
汚れ役も買って出ようと
傷つけたあの人に
いつかお詫びするために
何ができるのかと
自分の声しか
教えてくれる者はない
自分に語らせるのもまた自分
その自分を生かしているのは
私の中の宇宙の小石
幸せになれないと
知らされた日
私は自分に誓った
縁ある仲間を守るために
汚れ役も買って出ようと
傷つけたあの人に
いつかお詫びするために
何ができるのかと
自分の声しか
教えてくれる者はない
自分に語らせるのもまた自分
その自分を生かしているのは
私の中の宇宙の小石
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