未来創作
みちるのブログ
2013年4月13日土曜日
泣き声が聴こえる
さきほどから
誰かが泣いている気配がしているので
あたりを見回してみているのですが
人影は見えません
それどころか
人が隠れられるような物陰さえないのです
虫か
鳥の声でしょうか
すすり泣くような
しかしあまり悲壮な感じのしないその声は
耳をそばだてると消え
しばらくすると
また聴こえてくる
まさか
私が泣いているのでしょうか
そういえば
きのう私は
大事な人に裏切られたのでした
2013年4月12日金曜日
どうしても必要
自分の重さで自分を支え
輪っかを抱いて
ベタベタを取り出させる
コトアルゴトニ
程よく回る
一人きりの真っ暗な夜には
ひときわ
思い出を語りたくなるので
涙に濡れ
吐く息で曇らせないよう
注意していなければならない
私は何度となく選ばれた
何度となく
姿を消した
某氏がいう
あなたが必要だと
透明なベタベタを取り出すことは
どうしても必要なことだと
2013年4月11日木曜日
かの女はいなくなった
心に小石を握りしめて
となりのオバさんとあいさつした
おはよう!
こんにちは!
見れば太陽はもう高く
車の騒音 工場の音
賑々しく聴こえてくる
もう春ですね
きょうは涼しいですね
蝉の声がして
心がどっぷり懐かしさにまみれ
淡い初恋がツンと鼻を突いた
こんばんは
さようなら
きょうは夕暮れの景色の記憶がない
下校放送も
休みだったらしい
もしもし
何だ 使われてないって
2013年4月8日月曜日
もう夢中
音楽が先に行ってしまうので
気持ちは引きずられていく
リズムを刻んで流れていく歳月
私の思いはあなたの前にとどまり
やって来た電車を何本も見送っている
音楽が先に行ってしまうので
私は足踏みしてタイミングを合わせる
あなたはチャンネルを換えて
新しい番組のお話にもう夢中
2013年4月7日日曜日
謝らずに訣れたあなた
いま ここで謝れてよかった
あなたのプロフィール写真が
スマホの画面に突然 現れた
あなたには
ずっと謝ってきた
いま ここであなたに謝れてよかった
私にはしなければならないことがあると
いまハッキリ悟った
あなたのおかげだ
私は明日からあなたに向けて
それをするために
生きていく
空よりも暗い山
見ているか?
聞いていてくれ
私は無言で
誓ったのだから
2013年4月6日土曜日
小石をよけて
よってたかって ひどいことをやってしまっても
そのことに気づかないのは
昔も今も同じ
古代から現代まで
変わらぬ営み
だだ技術は進み
いい訳もうまくなり
やさしさは文明的に洗練されたけど
涙の滴は塩辛いし
血を嘗めれば鉄の味がする
よってたかって ひどいことをやってしまったから
だれかがそれを償ってる
ひどいことをやった人は
今も昔も地獄に行くのだろうか
捧げるべき生け贄は
どこにいる
ハイエナがうろついている
星明かりの下
子どもたちは
眠りにつく
そして夢を見る
春の草原に花が咲いて
会いたかった人が呼んでいる
だからあとは
ただ足を前に出して
小石をよけて
駆けていくだけだ
福島の花
毎日Facebookページ『福島の花』(写真・野口勝宏)で連載しています。
毎日送られてくる花の写真に詩をつけて、翌朝5時までにメールで送ります。
2−3編書いて選んでもらうという方法で共同制作しています。
さあ、きょうはどれが選ばれたでしょうか?
花はフランネルフラワーです。
1
坂を駆け下りたの
青空に雲が流れ石の柱の影で猫が鳴いてた
私は何かから逃げてきたみたい
座り込んでうっとりとキミのことを思うよ
2
あなたの何もかもがステキだわ
抱きしめられてまだぎくしゃくする感じも
新鮮で すき
もっと私に魔法をかけてくださいますか
3
厚手の綿のワンピは体になじまない
空気が入ってくる
あなたはそれを見て
手を滑り込ませようとしているわ
4
私の名前を呼ばないあなた
私から何を奪い去ろうとしているの?
いいえ きっと 私が
あなたから何かを奪ってしまったんだわ
https://www.facebook.com/FukushimaFlower
2013年4月5日金曜日
そこいらの 風
だれが あなたの
手をひいてくれたの?
だれが あなたの
背中を おしてくれたの?
それは 風
やさしい 風?
いいえ
ただの 風
ふるさとの でもない
ただ
吹いてきた
そこいらの 風
2013年4月4日木曜日
かんじてるこころ
みつめてみよう
たいせつなこと
めをそらさずに
はなしをすりかえずに
だれかとはなそう
やってみよう
できること
きばらずに
ひとめをきにせず
いいとおもったことを
やりすごせる?
わるいこと
だましたりしないで
よわいものまもって
しぜんたいで
おもっている
いろんなこと?
じぶんにといかける
こたえをあせらず
かんじているこころ
2013年4月3日水曜日
大きらいなひと
大きらいなひとのことが
いつまでも わすれられない
好きな人の顔が
思い出せないというのに
忘れそうになるたびに
思い出してしまう
忘れそうになるたび
メールがくる
好きな人は
メールをくれないのに
大きらいなひとと出会った日
台風の後の夕空が
燃えているようだった
きっと
私の顔も真っ赤に染められていたに違いない
好きな人と最後にわかれたのは
きのう
私がきょうも思い出すのは
あの夕空ばかり
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