未来創作
みちるのブログ
2013年2月19日火曜日
詩はなにも
常識というものが
一番の権威だと
常識というものが
一番人を傷つけるのだと
でも人は傷ついても悪くない
善し悪しを言うのは悪い癖だと
教えてくれた詩人さんは
詩はなにも教えたくないんだよ と
きょうもすたすた
歩いてどこかに
行ってしまった
2013年2月18日月曜日
甘くて苦いジュース
あの日
前触れもなく
あなたから
恋が舞い降りて
唇から侵入し
私ののどは熱くなってしまった
私は唇を閉じていたのに
どうやって
入ってきたの?
恋は
果実の
あの甘くて苦いジュースに
まぜてあったの?
訊いてみたかったけど
もうあなたが
唇を
塞いでしまって
いて
わたしたち
会話することができない
詩の電車Vol.2
2013年2月17日日曜日
神様には見えている
何かいいものを作ると
目の前に神様が現れるらしい
神様は「いいもの」は「自分のもの」と
考えているらしい
神様には特別な力が備わっていて
欲しいものは何でも手に入ってしまうので
神様の欲望は人の欲望とは違い
所有を目的としないらしい
神様が現れると
辺り一帯がパワースポットとなるらしい
神様はいつもパワースポットの真ん中にいるので
パワースポットのことを特別視しないらしい
だが人はありがたがって祈りを捧げたり
願い事を沢山するらしい
神様はその様子を見なれているが
人様に何をしたらいいにのかよく分からないらしい
パワースポットにはいいものがあり
さらに神様がいいものを引き寄せるらしい
欲深な人にはいいものの真価がわからないらしい
たとえばそのいいものがどこに置かれるべきかや
何にどうやって使うべきものなのかが
分からないらしい
いいものは大事にされても
大事にされなくても朽ちてくらしい
朽ちていく姿もまた美しいと神様は思っているらしい
時の流れに逆らわないものが美しいものだと
神様は言っているらしい
とどまるものは欲望にまみれて
汚れて悪臭を放つらしい
人には見えないけれど
人が作った神様には見えているらしい
2013年2月16日土曜日
(株)武士の情(なさけ)はちょっと困った会社
(株)武士の情(なさけ)はちょっと困った会社
というのは客のわがままを多めに見てくれるわけではなく
会社が重大な失敗をしたときに
武士の情け と口走って
勘弁してもらうとするから
2013年2月15日金曜日
私には分からない
死んでしまった人はこの世にいない
それを証明することは難しい
それに照明を当てることも困難だ
私は頭の中に死んだ人がいることを知っている
頭の中にいる死んだ人を
生き返らせることは困難だ
消し去ることも難しい
死んだ人と生きている私
死んだあの人から見たら
どちらが生きているのだろう
死んだあの人は時折語りかけてくるが
私があの人の話し相手になっているかどうかは
分からない
またその逆も分からない
線香の火に
夕日が重なって見える
どちらがいま起こっていることなのか
それともそんな考えごとは余分なのか
本筋なのか
私には分からないと私は考えている
2013年2月14日木曜日
これからなにができるだろう
あなたがやってきたことを
あなたはずっとみてきただろう
あなたがやっていくことを
あなたはずっとみていくだろう
いろんなことがあっただろう
いろんなおもいをしただろう
いろんなひとがせめただろう
いろんなひとがたすけただろう
わたしはなにをおもってる
わたしはなにをやるのかな
あなたはなにをおもってる
あなたはなにをやるのかな
あなたとわたしがしりあって
せかいのなにがかわったろう
わたしとあなたがしりあって
せかいでなにがおこるだろう
会社を設立しました
ポエムピース株式会社という名前の会社をきょう設立しました。
すでに、縁ある多くのみなさまに支えられていることを実感し、感謝の気持ちでいっぱいです。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
マツザキヨシユキ
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2013年2月13日水曜日
彼女はいつも間に合わない
彼女はいつも間に合わない
締め切りがきても
まだやっている
集中力が高まった表情で
髪を振り乱し湯気を立ててやっている
どうしてもっと早くやらなかったのか
それは言ってはいけない禁句
提出期限は過ぎている
猶予期限ももう過ぎている
でも彼女はやっている
途中経過の報告もせずに
わあわあ言いながらやっている
夏休みの宿題は冬に出した
冬休みの宿題は夏に出した
長距離走は周回遅れでやっとスタート
各種支払いは握りつぶす
彼女は間に合わない
それを見ている彼女のカレシは
自分のことはあきらめて
彼女の脇で応援するばかり
2013年2月12日火曜日
病気になった友だちが
病気になった友だちが
カメラを向けると
景色は味方する
綺麗なところを撮ってくれると
知っているから
友だちは
人に優しいが
人を信じない
自分を信じられないから
でも
いつか
自分を信じ
人も信じたいと願っている
ことばにはしないけど
友だちは
それでも幸せだった
なにも
ごまかす必要がなかったから
池のほとりにたって
カモの背中の水はけを
うっとり眼に入れている
寒い風がくるくる回って
古い思い出をつれてくる
ここにいたはずのない母が
ここで夕暮れに沈んで
父とまどろみを手招きしている
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