お寿司が次々やってきて
目の前を過ぎていく
お寿司 こんにちは
お寿司 さようなら
押し寿司は
押されたね
巻き寿司は
巻かれたの?
お寿司が右からやってきて
左の方へ遠ざかる
お寿司 こんばんは
お寿司 おやすみなさい
にぎり寿司よ
ようこそ
お稲荷さんは
ごきげんよう
あの子もこの子もやってきて
目の前を過ぎていく
あの子 どこから来て
この子 どこへ行く
お嬢さん
トシ幾つ?
あなた
何の用?
2012年10月29日月曜日
2012年10月28日日曜日
中央線の電車
その独り身の中年男は
(初めて詩に登場するわけだが)
JR中央線のドア際の手すりに寄りかかりながら
ぼんやり考えていた
昔からその位置が好きだった
TwitterをiPhone4Sで眺めて
学生はいいなぁ と
つぶやいた
夢や希望
世間に知らないことが沢山ある
それは中年男にはないものだ
代わりに良くない常識や古傷や
幾つものシミが顔にあった
この中年男の生きる意味は
どこにあるのだろう
中年男は誰かに教えてほしいと願っていた
しかしそう願い始めてから
無駄な時が流れている気がしていた
電車は都心に向かい高架を走っていて
踏切がない
警鐘も聴こえない
走る音も静かになった
中年男には何が必要なのか
男は黙っていた
中央線の電車だけが
それを教えようとしていた
(初めて詩に登場するわけだが)
JR中央線のドア際の手すりに寄りかかりながら
ぼんやり考えていた
昔からその位置が好きだった
TwitterをiPhone4Sで眺めて
学生はいいなぁ と
つぶやいた
夢や希望
世間に知らないことが沢山ある
それは中年男にはないものだ
代わりに良くない常識や古傷や
幾つものシミが顔にあった
この中年男の生きる意味は
どこにあるのだろう
中年男は誰かに教えてほしいと願っていた
しかしそう願い始めてから
無駄な時が流れている気がしていた
電車は都心に向かい高架を走っていて
踏切がない
警鐘も聴こえない
走る音も静かになった
中年男には何が必要なのか
男は黙っていた
中央線の電車だけが
それを教えようとしていた
2012年10月27日土曜日
幼い魂
この身をいじめたら
誰かが何かを赦してくれるなどと
考えていた幼い魂は
正しい答えを見つけられぬまま
立ち枯れた林の間を
獣の鳴き声のようにさまよっている
さまよっている間に
いつの間にか
老いぼれてしまう
凍てつく月光をいつか
見ていたことがあったと魂は思い出そうとするが
未来の月の光と混じってしまって
分からなくなる
そうして
すべて分からなくなる
たださまよう魂は
安堵することなく
さまよい続ける
誰かの赦しを得られるはずがないと知りながら
命が果てるまで
さまよっているのか
誰かが何かを赦してくれるなどと
考えていた幼い魂は
正しい答えを見つけられぬまま
立ち枯れた林の間を
獣の鳴き声のようにさまよっている
さまよっている間に
いつの間にか
老いぼれてしまう
凍てつく月光をいつか
見ていたことがあったと魂は思い出そうとするが
未来の月の光と混じってしまって
分からなくなる
そうして
すべて分からなくなる
たださまよう魂は
安堵することなく
さまよい続ける
誰かの赦しを得られるはずがないと知りながら
命が果てるまで
さまよっているのか
2012年10月26日金曜日
2012年10月25日木曜日
わたしをいじめてたきみへ
なぜ きみは となりの席に
すわって いたの?
なぜ いまになって 手紙を書いたの?
それも 出さない 届かない 手紙を なぜ
書いたの?
*
きみが 私に お金をせびって
公園の柵をこえて もち去ったとき
私は きみと きみの友だちの
後ろ姿を みていたよ
きみは もう いじめないと約束したのに
つぎの日から まえにも増して
私を いじめたね
おぼえているでしょ
よく考えると
ああなることは うすうす分かっていたんだ
でも 少しは 希望はあった
きみは ずっと私をいじめたけど
不幸になってほしいとは考えなかった
あのときは 憎かったけど
いま考えると もっと 憎いやつがたくさんいたんだ
きみは ずっと 生ぬるい人間だったんだと
私は思う
私は
子どもを3人産んで
結婚は 2回したけど
まあまあおちついて 生活している
白髪の多い ババアになったけど
茶パツにして おしゃれもすこしはしている
少女だったころより うす化粧だけどね
*
暗い少女時代は何だったのかと
いまだに回想することはある
たしかに 今の私の中に あのときの 自分もいる
でも 暗かった過去が
幸せの涙で洗い流され
新しい自分になったと感じたこともあったんだ
本当に愛せる人と出会ったおかげて
私はずっと愛を求めて
愛を与えて生きていくんだと思う
きみにこんなことを言うのは変だけど
きみの中には愛情はあったんじゃないかな
もう誰にもたしかめようもないことだけど
たしかめても しかたない ことだけど
私も きみに
この 出さない 手紙で
私の こころの わだかまりを
流しさってしまおうと思う
なぜ きみが 出さない手紙を書いたのか
出してくれても よかったんじゃないか
うん
もうそんなギモンも終わりにして
さっさと 寝ることにする
明日 朝 早いから
BYE!
すわって いたの?
なぜ いまになって 手紙を書いたの?
それも 出さない 届かない 手紙を なぜ
書いたの?
*
きみが 私に お金をせびって
公園の柵をこえて もち去ったとき
私は きみと きみの友だちの
後ろ姿を みていたよ
きみは もう いじめないと約束したのに
つぎの日から まえにも増して
私を いじめたね
おぼえているでしょ
よく考えると
ああなることは うすうす分かっていたんだ
でも 少しは 希望はあった
きみは ずっと私をいじめたけど
不幸になってほしいとは考えなかった
あのときは 憎かったけど
いま考えると もっと 憎いやつがたくさんいたんだ
きみは ずっと 生ぬるい人間だったんだと
私は思う
私は
子どもを3人産んで
結婚は 2回したけど
まあまあおちついて 生活している
白髪の多い ババアになったけど
茶パツにして おしゃれもすこしはしている
少女だったころより うす化粧だけどね
*
暗い少女時代は何だったのかと
いまだに回想することはある
たしかに 今の私の中に あのときの 自分もいる
でも 暗かった過去が
幸せの涙で洗い流され
新しい自分になったと感じたこともあったんだ
本当に愛せる人と出会ったおかげて
私はずっと愛を求めて
愛を与えて生きていくんだと思う
きみにこんなことを言うのは変だけど
きみの中には愛情はあったんじゃないかな
もう誰にもたしかめようもないことだけど
たしかめても しかたない ことだけど
私も きみに
この 出さない 手紙で
私の こころの わだかまりを
流しさってしまおうと思う
なぜ きみが 出さない手紙を書いたのか
出してくれても よかったんじゃないか
うん
もうそんなギモンも終わりにして
さっさと 寝ることにする
明日 朝 早いから
BYE!
2012年10月24日水曜日
いるもの と いらないもの
いらないものを身の回りに集めて
自分を守っているから
彼女の部屋はいつでも散らかり放題
たまにゴミ捨てや整理整頓をして
掃除機をかけるが
外からいろいろ持ち帰ってくるので
すぐにもとの状態を取り戻す
いらないみのといるものの区別が
たまにつかなくなるから
彼女はいつもいらついている
たまに根本的に考えなおして
いらないものを減らし
すっきりした部屋にしようと思うが
なんだか違う気がしてしまう
いらないものと同化して
身を潜めていると
いるものが隣からささやきかけてくる
自分を守っているから
彼女の部屋はいつでも散らかり放題
たまにゴミ捨てや整理整頓をして
掃除機をかけるが
外からいろいろ持ち帰ってくるので
すぐにもとの状態を取り戻す
いらないみのといるものの区別が
たまにつかなくなるから
彼女はいつもいらついている
たまに根本的に考えなおして
いらないものを減らし
すっきりした部屋にしようと思うが
なんだか違う気がしてしまう
いらないものと同化して
身を潜めていると
いるものが隣からささやきかけてくる
2012年10月23日火曜日
2012年10月22日月曜日
十月の とある日の わたくし
立派な表札の掛かった門があって
その前を貧相なわたくしが通り過ぎる
並木のあいだの道は人と犬が通い
木の上の枝はカラスが使っている
昼間は太陽と青空が使っていた
この辺りの世間は
夜になると月と星が控えめに控えて
見下ろしている
喫茶店は二人の姉妹とその友人がやっている
客はこの姉妹たちと無関係の人がほとんどだ
あきらめてやっていくことと
あきらめずにやっていくことは
ほぼ同じこと
わけもなく駅が混雑する日
そんな日が度々あっても
駅員にはなにも変化がない
オレンジスカッシュを頼んだのは
その色が見たかったからだけではない
三日月型のオレンジがグラスの淵にへばりついて
わたくしを励ましてくれるだろうから
ありがとうオレンジスカッシュ
わたくしは表札をいつかかけたいよ
どんな表札がいいかは
わたくしが決めよう
その前を貧相なわたくしが通り過ぎる
並木のあいだの道は人と犬が通い
木の上の枝はカラスが使っている
昼間は太陽と青空が使っていた
この辺りの世間は
夜になると月と星が控えめに控えて
見下ろしている
喫茶店は二人の姉妹とその友人がやっている
客はこの姉妹たちと無関係の人がほとんどだ
あきらめてやっていくことと
あきらめずにやっていくことは
ほぼ同じこと
わけもなく駅が混雑する日
そんな日が度々あっても
駅員にはなにも変化がない
オレンジスカッシュを頼んだのは
その色が見たかったからだけではない
三日月型のオレンジがグラスの淵にへばりついて
わたくしを励ましてくれるだろうから
ありがとうオレンジスカッシュ
わたくしは表札をいつかかけたいよ
どんな表札がいいかは
わたくしが決めよう
2012年10月21日日曜日
髪の毛を濡らして
髪の毛を濡らして
やってくる彼女は
朝 彼の家でシャワー
彼にはそれが自慢さ
シャンプーの香りを振りまいて
きのうと同じ服を着て
走ってくる彼女
彼にはそれが自慢さ
しかし
自慢の彼女は
彼とは別の誰かの腕の中
お腹の上
それは彼には
自慢できない
ご自慢の彼女の
悪い癖
いつまで続くの
自慢できない
悪い癖
やってくる彼女は
朝 彼の家でシャワー
彼にはそれが自慢さ
シャンプーの香りを振りまいて
きのうと同じ服を着て
走ってくる彼女
彼にはそれが自慢さ
しかし
自慢の彼女は
彼とは別の誰かの腕の中
お腹の上
それは彼には
自慢できない
ご自慢の彼女の
悪い癖
いつまで続くの
自慢できない
悪い癖
登録:
投稿 (Atom)