水面がそこら中で光を乱反射するので
僕たちの顔は皆まだらになっている
塩素が加えられた冷たい水に漬けられて
熱い躰も柔らかい皮膚も抵抗していたが
水着が先に降参して防御することをやめて
体を明け渡したので
僕たちは裸同然で感染しあっていた
それを誤魔化すために奇声をあげたりしながら
更衣室は男女別々だったはずだ
ここでは一緒の水に入って
交わらない誓いを牽制した
ひとときを至近距離で
時には接触して過ごした
それは刹那のように
幻となって放課後の机の上で
干からびようとしていた
女子と男子はあやふやに分離して
個別に交じり合うことを促した
古典の教科書の影で
指で空気を切り指揮をして
空気さえ味方につけて
2012年5月12日土曜日
2012年5月11日金曜日
怖い靴下
洗濯したての
破れた靴下が怖い
履いたら
捨てるのか と
詰め寄ってきたから
破れたところから
足の甲が覗き
かさついているのが見える
脱いで
手に嵌めてみたら
見慣れた素材と色だが
穴から手をだそうとすると
伸びながら裂けていった
大地の切れ目から
血が噴射して
叫び声を上げた
ゴムが喉元を締め付ける
洗濯したてのいい香りのまま
死んでもらおう
また生まれ変わってくるのか
どんな命として?
誰のもとに?
破れた靴下が怖い
履いたら
捨てるのか と
詰め寄ってきたから
破れたところから
足の甲が覗き
かさついているのが見える
脱いで
手に嵌めてみたら
見慣れた素材と色だが
穴から手をだそうとすると
伸びながら裂けていった
大地の切れ目から
血が噴射して
叫び声を上げた
ゴムが喉元を締め付ける
洗濯したてのいい香りのまま
死んでもらおう
また生まれ変わってくるのか
どんな命として?
誰のもとに?
2012年5月10日木曜日
空の記憶 メモ
人の中に生き物は何種類いますか
植物の種もありますか
魚や鳥はどうしていますか
獣 爬虫類 両生類もいますか
地球の中に生き物は何種類いますか
地球と生き物の血球はどちらが丈夫ですか
地球上に立てられた
動く塔
自動車 飛行機
死んで動かなくなった生き物が
燃やされてエンジンを動かす
植物が作った有機物が
ダイヤモンドとなって
人の膚の上で光る
人の子孫は墓の上に立つ
上空を鳥が飛び
胸の中で血潮が渦巻く
赤色から青色へ天空の星が流れ
誰が見下ろしているのか
仰ぎ見ているのか分からなくなる
植物の種もありますか
魚や鳥はどうしていますか
獣 爬虫類 両生類もいますか
地球の中に生き物は何種類いますか
地球と生き物の血球はどちらが丈夫ですか
地球上に立てられた
動く塔
自動車 飛行機
死んで動かなくなった生き物が
燃やされてエンジンを動かす
植物が作った有機物が
ダイヤモンドとなって
人の膚の上で光る
人の子孫は墓の上に立つ
上空を鳥が飛び
胸の中で血潮が渦巻く
赤色から青色へ天空の星が流れ
誰が見下ろしているのか
仰ぎ見ているのか分からなくなる
2012年5月9日水曜日
連休しない人
かれは毎日働いているので
休日がない
だから
テレビのキャスターが「連休の最終日です」
などと言うと そのたびに いちいち
「だれが連休やねん」と
関西人でもないのに関西弁風に心のなかでつぶやき
いちいち`ぶったまげる'
そしていつも次に`連休'に働いている人 のことを思う
沢山の人が`連休'に働いているのに
どのマスコミも「連休の最終日です」を連呼し
彼らの働きを認めない
彼らはなんとも思わないのだろうか
彼らの存在は無視されて当然なのか
もう慣らされてしまってなんとも感じないのか
かれは
`連休'に働きながら
世間の不器用さを嘆かわしく思う
建前を守り続けて守ろうとしているものは何か
誰か知っている人がいるはずだ
きっとその人は
連休の最終日に
連休を始めさせようとしている
休日がない
だから
テレビのキャスターが「連休の最終日です」
などと言うと そのたびに いちいち
「だれが連休やねん」と
関西人でもないのに関西弁風に心のなかでつぶやき
いちいち`ぶったまげる'
そしていつも次に`連休'に働いている人 のことを思う
沢山の人が`連休'に働いているのに
どのマスコミも「連休の最終日です」を連呼し
彼らの働きを認めない
彼らはなんとも思わないのだろうか
彼らの存在は無視されて当然なのか
もう慣らされてしまってなんとも感じないのか
かれは
`連休'に働きながら
世間の不器用さを嘆かわしく思う
建前を守り続けて守ろうとしているものは何か
誰か知っている人がいるはずだ
きっとその人は
連休の最終日に
連休を始めさせようとしている
2012年5月8日火曜日
風が言っていました
風の身長を知っていますか
風の姿は見えないから
知らないと
お喋りすることはできません
風だって
ちゃんと目を見て話さないと
怒って吹き荒らし
言葉は風に舞うばかりだから
目の辺りを見つめて
ゆっくりと
わかりやすく話さなくてはなりません
もし
風とおしゃべりすることが出来れば
人はもっと幸せに近づくことができるでしょう
と
風が言っていました
風の姿は見えないから
知らないと
お喋りすることはできません
風だって
ちゃんと目を見て話さないと
怒って吹き荒らし
言葉は風に舞うばかりだから
目の辺りを見つめて
ゆっくりと
わかりやすく話さなくてはなりません
もし
風とおしゃべりすることが出来れば
人はもっと幸せに近づくことができるでしょう
と
風が言っていました
2012年5月7日月曜日
自分の場所で
イチョウの木
自分の場所で
立っている
緑の葉をいっぱいに茂らせて
イチョウの木の横
通り過ぎて駅に向かう
行き交う人をよけながら
毎日
たくさんの人やモノを
よけている
けれど
自分がいる場所には自分だけがいる
イチョウの木は
黙ったまま
葉をゆすり
いま笑ったのか
私を見下ろして
いや
笑ったのは自分の方
2012年5月6日日曜日
詩人リモコン
詩人くんをリモコンで飛ばすのはおもしろいですか。
飛ばすときは飛行機に乗せるのですね。
彼はどこにでも行かせられるのですね。
二足歩行もうまいし、喋りも達者ですね。
五感が備わっているばかりか、第六感も使えるのですか。
詩人くんは上りより下りのデータが太くなっているのですね。
A.I.も詩人レベルまで行っているのですか。
彼の取材能力はすごいものですね。
リモコンと関係なく動いているみたいです。
あなたは部屋に居ながらにして詩人くんを操作して
世間を渡り歩かせ、世界を見て、詩人をやっているのですね。
いいことを考えましたね。
いつからですか?
えっ、自然にそうなったって?
詩は、どちらが書いているのですか。たまには合作したりして……
詩人くんは文句を言いませんか。
あっ、別荘で休ませるのですか。ねぎらいの会を開いて。
そして、たまに入れ替わってみるのですね。
飛ばすときは飛行機に乗せるのですね。
彼はどこにでも行かせられるのですね。
二足歩行もうまいし、喋りも達者ですね。
五感が備わっているばかりか、第六感も使えるのですか。
詩人くんは上りより下りのデータが太くなっているのですね。
A.I.も詩人レベルまで行っているのですか。
彼の取材能力はすごいものですね。
リモコンと関係なく動いているみたいです。
あなたは部屋に居ながらにして詩人くんを操作して
世間を渡り歩かせ、世界を見て、詩人をやっているのですね。
いいことを考えましたね。
いつからですか?
えっ、自然にそうなったって?
詩は、どちらが書いているのですか。たまには合作したりして……
詩人くんは文句を言いませんか。
あっ、別荘で休ませるのですか。ねぎらいの会を開いて。
そして、たまに入れ替わってみるのですね。
2012年5月5日土曜日
2012年5月4日金曜日
なんどでも
饒舌に語れ
話したいことなどなくても
話すことがあなたの存在に価値を与え
私を納得させ
何かを冷やす
語るに落ちよ
繰り返す日々に句読点を打て
物語の結末だけ述べよ
あらゆる話にオチをつけよ
人にはレッテルを貼れ
動きを停めたものたちが
エネルギーを蓄え
正解者の頭上で弾けるのを待っている
だからクイズにして問え
答えのある森羅万象を
血へどを吐きながら
なんどでも
2012年5月3日木曜日
やくたたずの かれ
かれはなにももっていない
やくにたつものは
みんなひとにあげてしまった
やくにたたないものばかりをもっているかれは
やくたたずとよばれた
かれもまたじぶんをやくたたずとなのった
かれにみかたはいなかった
かれはやくたたずなうえに
あいきょうがなかったから
やさしさもおくびょうをかくすためだけにあったから
かれにはかみさまもいなかった
かみさまにしたねがいごとは
いつもたいていかなわなかったから
だがかれはぜつぼうということばをしらなかった
とおいむかししっていたようなきもするが
いまはまいにちがぜつぼうばかりだったから
そこがきじゅんでそれいじょうわるくならなかったから
かわりばえしないまいにちは
みかたによっては
しあわせにかんじられた
これがやくたたずのかれの
いまのじょうたいであるが
かれにあいたくなったら
かれのぶろぐをけんさくしてみるといい
そこにはかれのぷろふぃーるとともに
やくにたたない詩が
まいにちのせられているだろうから
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