2010年12月7日火曜日

ノックのように

いつかのきつねが声をかけてくれた
コン コン
それを聞いていた鳥が木の枝で
ケタ ケタ 

僕はキーボードを
トタ トタ
すると誰かが電車に揺られつり革が
キー キー
体は
ゆっさ ゆっさ

世間が夜になる
だんだんと 夢の世界が
近づいてくる

誰のもとにも
やってきて
誘いかけてくる

だだいま

おやすみ

寝息が
スー スー
寝ずの番 きつねが
コン コン

2010年12月6日月曜日

詩人の声が

優しい詩人の優しい眼差しは
心の中で戦い続ける静かな炎の穂先
炎を燃やすのは絶え間なく湧いてくる愛

地球が宇宙にぽっかりと浮き
何度太陽の周りを回っても
太陽が何度僕たちの頭上を通り過ぎても
詩人の言葉は繰り返し
僕らのうえに降りそそいでいた

優しい詩人の優しい声が
今日もどこかで語っている
詩でないものを
詩に囚われないように

2010年12月5日日曜日

プレゼント

冬の暖かい日差しの中で
夢を見たわ

どこからが夢で
どこまでが空想だったか
わからないの

冬の街を雨が通りすぎ
珍しく虹が掛かったの
そして
いつまでも消えずにいた

白いカーテンの揺れる部屋で
あなたは風がいいねと言って
ほほえみかけてくれた
私は
そう?
とわざとそっけなくした

それからあなたに
プレゼントの箱を手渡したわ
あなたは私の肩を抱き寄せて
いつもの挨拶のキスをした

夜がきて
朝がきて
沢山仕事をした
友達とお酒を飲み
旅行にも行った
ネイルも何度も塗りかさね
それと同じくらい嘘もついた

気づくと
いつもの場所の
古びた椅子にすわっていて
目覚めていたけれど
いつ
眼をあけたのか
もう忘れていたの

2010年12月4日土曜日

シマウマ

シマウマ
シマとウマが共存する大地

ハゲタカ
禿と鷹が舞い降りる

小姑
と呼ばれる女が
頬杖
頬を杖で支え

昼寝
昼なのに寝ている

落ち葉の季節
沈黙
水底に沈み黙っている
禿げた人

2010年12月3日金曜日

いちにのさんで

いちにのさんでやりましょう
と言われて
そんな勇気を持っていたか不安になる

さんにいいちで
消えたくなった

2010年12月2日木曜日

下り坂を登って行くと
平坦な場所に出た
そこからは上り坂だ

上り坂を下り
橋を渡り
いくつかの角を曲がり
いくつかの巨木や潅木の横を通り過ぎ
蔵の脇の細道を進むと
原っぱだ

草がそよそよと揺れ
それを見る 私の心もそよそよと揺れる
風のあとについて
低い丘の頂点まで行くと
眺望がひらける

しばらく下界を眺め
気分がよくなると また歩き出す
今度は丘から街へ続く道

下り坂を登る

2010年12月1日水曜日

だらだら坂

なだらかなだらだら坂
なだらかなだらだら坂

登っていく
登っていく

そして
下っていく
下っていく

2010年11月30日火曜日

このままでまってます。

ろくろっくびだよ
ろくろっくび
輪切りだよ
全員集合だよ
立ち見だよ
全員集合
立ち見だよ

切れるよ
断裁だよ
ギロチンだよ
夢じゃないよ
夢二だよ
8時だよ
全員立ち見だよ

中身はないよ
中身はない
ナイスだよ
ないっすよ

酢はないっすよ
夜は 友だちだよ
友だちは
お金がすきだよ
お金
金の玉を隠しているよ
金の玉
金の卵もだよ
隠して書く
かくして
カクカクしかじか
金の玉
隠したよ

寝込んだよ
布団かぶってた
いろいろうまくかぶってた
兜も座布団も
カラフルな座布団も
かぶってた

ぶたないで
ブタさん
ふた なくさないで
ふた三個なくさないで
ブタさん三個なくさないで

泣かないでいて
あなあけないでいて
赤坂付近にいかないで
いか たべないで
くま たらふく
たらも たべないでいて
手をつないで
繋がる
しわよせしないで
しないでって
市内で言わないでいて
しわよせしないで
幸せでいて
祈るから頼むから
ここにいさせて遺産わけて
勇んで胃酸で溶けないで

どかないで
どうか一つ
如月まで
どんどん
いかせて
いってみて
いってみせて
せめて みせて
攻めて
責めないでいて
見せしめて
せめて責めないで
このままでいさせて

このままいさせて

ください
第三者
このまま
いさせて
ください