あなたのとなりにねころんだら
ちくちくした
あなたからはなれたら
こころが しくしくした
あなたがどこかへいってしまったら
しくはっくした
あなたがべつのひとといたら
はなが ぴくぴくした
あなたがわたしをころすっていったら
ちかちかした
おかしいな
もう おほしさまになったにたい
わたし
2014年6月6日金曜日
2014年6月4日水曜日
夜風の香り
夜の風に混ざっている香りは
何?
窓から入ってくるこの香りは
何?
あなたは黙って考えごとをしているけれど
私はあなたが何を考えているか
薄々気づいているのよ
さっきから
あなた
私に言い訳をしようとしているけれど
私は何も問い詰めないのよ
ただこの夜風のように
私の思いを香らせられたら と
思っているだけ
ただ
それだけ
それだけ
2014年6月3日火曜日
対象を切り裂きながら
椅子に腰掛けている女
という絵を
観ている女の肩に
男が手を回している絵を
若い女が見入っているのを
若い男が見ている
その様子を私が見ている
美術館のフロアは
猛暑の世界から隔絶され
くだらない騙し合いの世間とも無関係で
絵の亡霊たちに囲われ結界が張られ守られている
私は誰かと待ち合わせて
三階のレストランでランチをいただくことにしよう
初めてここに来た日のことを
胸の中に確かめながら
ナイフとフォークで
対象を切り裂きながら
2014年6月1日日曜日
泣いている人
泣いている人がいる
泣いている人は
泣きながらどこかへ行こうとしている
泣いている人は
自分の涙に濡れている
濡れていない場所が
濡れている場所を際立たせるので
もっと全体が
濡れたらいいと思う
どこかで
川が流れて その音が
泣いている人のうめき声を隠す
さらには
船を漕ぐ音が
泣いている人をせきたてては
打ち消す
それを 繰り返している
泣いている人は
泣きながら何かをしようとしている
自分の涙に濡れながら
その涙を
曇り空へ
蒸発させながら
泣いている人は
泣きながらどこかへ行こうとしている
泣いている人は
自分の涙に濡れている
濡れていない場所が
濡れている場所を際立たせるので
もっと全体が
濡れたらいいと思う
どこかで
川が流れて その音が
泣いている人のうめき声を隠す
さらには
船を漕ぐ音が
泣いている人をせきたてては
打ち消す
それを 繰り返している
泣いている人は
泣きながら何かをしようとしている
自分の涙に濡れながら
その涙を
曇り空へ
蒸発させながら
2014年5月30日金曜日
待つ人
待つ人の気持ちは同じ
あなたは言った
待つ人の気持ちは同じだ と
本当に そうだろうか
待っていないあなたに
何がわかるというのだろう
待つ人は
見渡すかぎりの広い海を
漂っているよう
待つ人は
話したいことを心の奥に仕舞いこんで
確かめているよう
待つ人の気持ちは同じ
あなたは言ったけど
あなたは
待ったことがない
私はいつも
先にいるから
あなたが来るだろう場所に
あなたは言った
待つ人の気持ちは同じだ と
本当に そうだろうか
待っていないあなたに
何がわかるというのだろう
待つ人は
見渡すかぎりの広い海を
漂っているよう
待つ人は
話したいことを心の奥に仕舞いこんで
確かめているよう
待つ人の気持ちは同じ
あなたは言ったけど
あなたは
待ったことがない
私はいつも
先にいるから
あなたが来るだろう場所に
2014年5月28日水曜日
なやみすぎて
なやんで なやんで
なやみすぎて
なにがなんだか わからないけど
ひとつのこたえ
もうひとつのこたえ
どちらでもいいと
おもいました
でも また
なやんで なやんで
なやみすぎて
もうひとつ こたえが
でてきてしまいました
あれ
もうじかんぎれ
どうしよましょう
こたえがでないから
あきらめましょう
なやみすぎて
なにがなんだか わからないけど
ひとつのこたえ
もうひとつのこたえ
どちらでもいいと
おもいました
でも また
なやんで なやんで
なやみすぎて
もうひとつ こたえが
でてきてしまいました
あれ
もうじかんぎれ
どうしよましょう
こたえがでないから
あきらめましょう
2014年5月27日火曜日
好きな人に会って
座布団を床において
古びた毛布を体に巻き付けて眠る人
私はそれを横目に
今から会う恋人に電話しようとしている
きのうは別の人と箱根の住宅地を歩きまわっていた
何度も電話をかけ直すが
繋がらない
雨のせいではないだろう
強い雨が先程から降り始め
側溝はあふれ始めている
テレビが警戒警報を告げる
座布団の人は
もう眠ってしまったのだろうか
家に帰って眠ればいいものを
タクシー代を惜しんで
店の床に寝ているのだ
女郎花の花が
店先で香っていた
私はなんとしても
好きな人に会って
この夜を
やり過ごさなくてはならない
2014年5月26日月曜日
貝殻と 私
砂浜に 埋めた 貝殻が
夢見て
私の 夢の中で
一緒になりました
波の音 と
朝焼けが 二人を
包んで います
貝殻と 私とは
いつか 愛しあったのでしょうか
きっと
そうに きまっています
いつか 愛しあったのでしょうか
きっと
そうに きまっています
2014年5月25日日曜日
よわいあなたをまもるために
よわいあなたをまもるために
わたしもよわくなりましょう
これでふたりはおんなじです
こわいゆめにおそわれるひは
こわいことをたくらみましょう
これできれめはありません
しろいきりがたちこめたなら
しろいふくででかけましょう
きりのなかでいきたえるでしょう
2014年5月24日土曜日
あいたいけれど
あいにいきたいけど
あいたくない
あいたくないけど
あいにいきたい
あいたいけれど
あうときっとドキドキする
ドキドキするから
あいにいきたくない
だけど
あっちゃった
あいにいくとちゅうで
あっちゃった
あってよかった
あわないなんてかんがえられない
いつかも
こんなことがあった
あれはずっとむかし
だけど
おんなじきもち
あいたいけれど
あいたくないきもち
あいたくない
あいたくないけど
あいにいきたい
あいたいけれど
あうときっとドキドキする
ドキドキするから
あいにいきたくない
だけど
あっちゃった
あいにいくとちゅうで
あっちゃった
あってよかった
あわないなんてかんがえられない
いつかも
こんなことがあった
あれはずっとむかし
だけど
おんなじきもち
あいたいけれど
あいたくないきもち
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