2010年11月19日金曜日

出会えない

見えないけれど
星は出ている

空に出て
こちらを見つめている

くらい空に
目を凝らしている

見られている
見ている

どちらでもいい
ぼくたちは
永遠に
交わらない

視線がぶつかっても
気づかないでいる

吐息がかかっても
風と区別がつかないでいる

2010年11月18日木曜日

11.18

風が吹くたびに木の葉が落ちてくる
表参道を歩きながら
これは裏街道ではないとつぶやき
歩行のリズムに合わせて
思い出を回転させ
シャツフルしていると
前方から救急車がやってきて
目の前の路地をはいっていったので
その行く先に目をやると
高校生たちが制服を着て歩いていて
寒そうに身に巻きつけた布にしがみついていたので
あの布は今風に言うとなんて言うんだろうという考えに
脳みそを占領され
なんてちっぽけな脳みそなんだろうとおもい
その割に大きな頭を
凝り固まっていたい首でどうにか支えながら
きょうは誕生日だからなにかすこしでも自分の為に特別なことをしようと
きれいなショーウインドウを見ながら歩いてみることにすると
昔彼女とわかれてその後会うこともなかった喫茶店がリニューアルして
前の面影もなくなっていて
自分の面影も似たものだと思いながら
道が上り坂になり
風が吹いて落ちてきた木の葉が一枚どういうわけか
手のひらに入ってきてそれを握ってしまい
賄賂ではないだろう
木の葉の手紙か狐のお金か
どちらにしても昔は木の葉を集めて焚き火して
焼き芋を作ったものだと懐かしさがこみ上げ
信号待ちをしていると
信号が変わる前に美しい街の光景を写真に収めたいと思い
この場所この日がデジタルに記録され
これを見返すのは自分だけなのか
それともいまは婚活中のひとが
私と結ばれて一緒に観るのかなどど妄想し
そこにまた救急車が通り過ぎ
救急車は9×9×48なのかなどど考え


もうやめた

2010年11月17日水曜日

それを

あわてずに
いそがずに
しんちょうに
だいたんに
たのしく
いっしょうけんめい
たいみんぐよく
ためらいをすて
しんこきゅうしてから
ひとめをきにせず
しんけんに
なるべくしぜんたいで

それを
すると
いい

かみさまが
みている

きみじしんも
みている

2010年11月16日火曜日

星座の立場

そこをめくると
こんどは
当たりがでるか

めくりつづける日々
当たりのような
ハズレのような
よくわからない

脳みそ
役にたたない
くじ引きの人生

計算機
意味のない
暗い闇の中で

星座の居場所がたより
私のみちしるべ
星占いを見下ろす星
笑いも泣きもせず
表情ひとつ変えず
座って

2010年11月15日月曜日

11月の誕生日

マカロン

小さなホールケーキ
色とりどりのキャンドル

幻灯機のおもちゃ
ペパーミントティー
メモリーに入れた曲

封筒に入れたカードと手紙
リボンをかけたプレゼント

誕生日のきみ
考えていること教えて欲しい

部屋を包むカーテン
柔らかな灯り

向かい合わせ
隣り合わせの時間

2010年11月14日日曜日

ドトールコーヒー

東海の小島の磯の白砂に
ドトールコーヒー、ドトールコーヒー
じっと手を見る
ドトールコーヒー、ドトールコーヒー
こころよくわれに働く仕事あれ
ドトールコーヒー、ドトールコーヒー
からくれないに
ドトールコーヒー、ドトールコーヒー
たわむれに
ドトールコーヒー、ドトールコーヒー
やせがえる まけるな一茶
ドトールコーヒー、ドトールコーヒー
旨いコーヒー 村いっぱいの
ドトールコーヒー、ドトールコーヒー

2010年11月13日土曜日

週末の終末的な

電車に乗るお金がないときは
歩く
歩く元気がないときは
部屋にいる

部屋にいると
夕方に
夕焼け小焼けのメロディのチャイムが聴こえてくる

何のためのチャイムなのか
みんなはどんな気持ちで聞いているのだろう
みんなって 誰のことだろうう

テレビをつけると
内閣は売国奴だといっている

メロディのチャイムがまた鳴っている
きょう 何度目だろう

なにかせよと促す
なにかしなければ
なにかをでっち上げて
終わらせなければ

もう夕闇だ
電灯もつかない
夕闇だ
誰かに謝らなければ
チャイムをとめなければ

2010年11月12日金曜日

推敲しないままに

書いた途端に載せてしまう。とても乱暴だと思いながら。そして、画面に映して1回目の推敲。それから時々見返しては、少しずつ推敲している。まえにどんなことが書いたあったのか、当然自分でも分からなくなっている。

消える声

夜明け前の闇の彼方で誰かが泣いている
きのうもきょうも

いつから泣いているのだろう
誰が泣いているのだろう

人の声なのか
男なのか女なのか
狼なのか
それとも巨大な扉が軋んでいるのか

ぼんやりと夜が明けてくると
その声は聞こえなくなる

天体の発する何かのせいなのか
僕の耳の感度が落ちてしまうからか

あの声
あの悲しそうな声
苦しそうな声

いつか
あと10年もしたら
あの声は
喜びの声に聞こえるだろうか

ぼんやりと淀んだ朝の空に
ささやいてみた
この声は
あの声まで聞こえてる?
あの声は
親しい人
それとも
最も遠い人?

2010年11月11日木曜日

あなたにとって

あなたにとって
ここはどんな場所ですか
そう尋ねたくて
モヤモヤしているうちに
あなたは何処かに行ってしまった

私にとって
ここはどんな場所なのだろう
色々思い巡らせ
モヤモヤしているうちに
あなたは帰ってきた

買い物袋を
両手にさげて