気にいらない
冴えない
色が悪く
覇気がない
眼も充血している
お腹の辺りも
たるんだ感じ
目立たない服着て
当たり障りなく
過ごしたい
食べものに注意して
バランスよく少なめに
そして早く帰宅して
考えごとをしよう
勝負は
別の日にしよう
きょうは
調整日
大事な人から
優しい電話が
来ませんように
お腹の辺りも
たるんだ感じ
目立たない服着て
当たり障りなく
過ごしたい
食べものに注意して
バランスよく少なめに
そして早く帰宅して
考えごとをしよう
勝負は
別の日にしよう
きょうは
調整日
大事な人から
優しい電話が
来ませんように
ちょうどいい容れ物が見つからなかったのか
そのせいか
私はいつまでたっても居心地がわるい
首のあたりがフワフワし
節々が痛い
脳裏をヤドカリの中身が横切って行く
あなたのことを
きょうは
マリンと呼ぼう
あなたのうなじから
海の香りはしてこないけれど
あなたの瞳に
海の底の星空は映っていないけれど
きょうは
あなたのことを
マリンと呼ぼう
あなたは自分のことを
不器用だと言うけれど
私は あなたから
その器用な身のこなしを学んでいる
と
いつか
告げたことがあった
あなたはまた
人間関係が苦手だと言ったけれど
あなたの周りには
いつもあなたを求めて素敵な人が
集まっていた
マリン
と呼んでも
マリリンモンローを連想しないでくれ
いっそプリンや風鈴の方がまだ近いのだから
きょうは
煩わしいことが片付いて
いま
何が煩わしかったのかさえ
リアルには思い出せないくらいに
脱力し
重力となって地面に落ちている
マリン
あなたは
あなたであって
あなたではない別の誰か
マリンは
私を
何と呼んでくれるのだろう
朝のベッドのシーツの中で
あなたは
すべてを知ってしまったから
あとは
知らないふりをすることにした
あなたは
すべてをやり終えてしまったから
ほどよく
壊してはまた作ることにした
あなたは
すべてを生きてしまったから
あとは
他人の人生を生きようとした
あなたは
すべてを愛していたから
無限の星が
いつまでも祝福していた
池に
わたしの
顔が映っていますか
それは
どんな顔ですか
きれいですか
好きな顔ですか
見つめていて
気持ちが昂ぶりますか
抱いてみたいですか
橋に
わたしの影が
掛かっていますか
スマートな影ですか
魅力的な曲線を持っていますか
微かに花の香りがしますか
欲しいですか
影を持ち帰りたいですか
わたしと一緒に
あなたのベッドに