2014年3月20日木曜日

あなたは きっと 帰ってこない

いつもあなたがいたキッチンに いまも
あなたがいるような気がして
見てしまう 何度も

でも そこに あなたはいない

いつもあなたに注意された 悪いくせ
あなたに見られたようなきがして
ハッとして 振り向く

でも そこに あなたはいない

あなたは ほんとうに
いなくなってしまった
どこかへ いってしまった

私は あなたを
待つことはできない
あなたは
帰ってこない

あなたの気配を
まって
生きていくだけ

2014年3月19日水曜日

よごれたおとなには ぜったいならない

ゆきだるまが
おこっていたのは
つくったひとに
みすてられたから

ゆきだるまだって
ずっと
おもっていてほしい
つくったひとに

そんなこと
ぼくにだって
わかる

つくったのは
おとな
せけんをわたり
よごれてしまった
おとな

ゆきだるまは
おしえてくれた
あんなおとなに
なっちゃいけないと

ぜったいならないよ
ぼくは
つくったものをだいじにする
おとなになる

あんな
よごれたおとなには
ぜったいならない
そして
よごれたおとなに
いつも
きみのことを
はなしてあげたい

帰り道が待っている

帰り道が待っている
少し表情を暗くして

帰り道に足を踏み入れる
来たときの足跡をチラ見して

帰り道は家へとつづく
それはいつも変わらない真実

帰り道で寄り道しても
また帰り道に組み込まれる

帰り道を逆に歩いて
帰らない勇気はまだない

いつも帰り道が待っている
凡庸が顔を現す
けれども すがりつきたい毎日がある

2014年3月18日火曜日

わごむ いいきぶん

わごむひいて
あのこのせなか
ねらってあてる
ごめんね あてて

てくびにはめて
ちをせきとめる
だれかにじまん
したくって

たくさんつなげ
ごむとびしよう
ぱんつのごむも
ひきいれて

こわれたふたを
わごむでとめて
がっこうへいく
いいきぶん

2014年3月17日月曜日

Lover

むっつりがおが
かわいいね
おこったしぐさが
しんせんだ
ほおづえついても
えになるね
ないてすがるの?
スヌーピーに

あっさりしてて
さびしいよ
だまったままは
かなしいな
わらうのこらえて
おこりがお
あまのじゃくだね
マイ・ダーリン

2014年3月16日日曜日

そのときもきみは

私が疲れて帰ってきて表紙をひらいても
きみはため息をつかない
居住まいを正して
八百屋がトマトやごぼうやレタスを並べるように
活字を並べている

きみは愚痴を言わず
飽きることもなく
同じ話を
どこからでも
話してくれる

だがきみは 表紙を閉じると
話すのをやめてしまう
その表紙を誰かが開けてくれるのを
ひたすら待っているだけだ

この家にやって来たとき
きみは私のかたわらで
幸せそうにしていた
私の不幸と釣り合って
私に居場所を支えてくれた

私はきみに何ができただろう
愛を注いだことはあったが
旧い昔の恋人のように
思い出の中にしまい込み
たまに取り出してみるだけだった

そして
きみのページの間に
映画の半券をはさみ
どんよりと雲がたれ込めた日に
きみをテーブルの上に投げつけた

そのときもきみは
怒りもせず
ただ表紙を再びあけてくれるのを
待っているだけだった

2014年3月14日金曜日

くやしいときは

くやしいときは
なみだかくして
おおきなこえで
わらうのさ

くるしいときは
そとにとびでて
だいすきなもの
にらむのさ

さびしいときは
あまえたことば
きいてもらおう
ののはなに

2014年3月13日木曜日

ちんこ

おとこのこは
ひそかにちんこを
おもってる
ともだちたちの
ちんこのことをよくしっている
おとこのこは
ひそかにちんこをくらべている
いいちんこには
いいじんせいがまっているから

おとこのこは 
ちんこにいっしょうをささげる
だからちんこをほめられるとしあわせで
けなされるとふしあわせだ

おとこのこはちんこを
ぴかぴかにみがきあげ
なんどでもみつめる

ちんこにじしんがもてないこは
ちんこいがいでじしんをもてないか
いっしょうけんめいかんがえる
そんなことには
とうのちんこはおかまいなしだけど

あるひちんこはたびにでる
すきなあなをもとめて
ながいだびにでる
おとこのこは
おずおずとついてゆく

そして
あるひ
ちんこから
こういわれる

「きみはぼくより
   りっぱなにんげんだろうか」

すると
おとこのこはきまって
うつむいたままこうこたえる

「ぼくはもっとりっぱになる
   きみがいてもいなくても
   へいきなくらい」

ちんこはだまってきいている
ちんこには
ともだちがいなかったから

おとこのこは
そんなちんこを
ふびんにおもう
ちんことは
もちつもたれつのかんけいだ

ぱぱのちんこが
ゆめのなかでかたっている
ちんこのことは
あまりきにするなと
どんなちんこをもっていても
にんげんはじぶんのじんせいが
じぶんでつくれるから
ちんこにかんけいなく
いいじんせいが
まっているから

2014年3月12日水曜日

ちえのわ

ちんこがぼうちょうして
そらをみあげてた
ぼくはそれをむりやり
ぱんつにおしこんで
がっこうへかけていった

おんなのこのおっぱいが
あるくたびに
ちいさくなみうって
すかーとが
ゆれて
なかからぼくをさそっている

ぼくはちんこで
おいでおいでする

ぼくのからだは
おんなのこに
むいている

こんなにはなれているのに
くっついてはなれない
ちえのわみたいに

2014年3月11日火曜日

わすれずに なはがさいた

わすれずに
なはがさいた
かわいくて
きれいなはなだよ

わすれたのは
ぼくのほう
はなびらにとじこめた
さびしいそらいろ

はながあわく
かおってる
なつかしい
いいかおりだよ

あわくおもう
ずっとまえのこと
となりにいたのは
いまはいないひと