あきらめ顔で
気取ってみる
誰も見ていないのに
誰かに見られているよう
あなたではない誰かが
あなたに報告してくれそうで
愛しているといえなくなった日に
周りに流されなかった
過去の一シーンを繰り返し思い描く
あなたはそこに居なかったけれど
いつかあなたと出会う日の
準備をしていたあの日
愛しているといえなくなったのには
どんな訳があるの?
誰も訊いてくることはないけれど
誰かがあなたに報告してくれそうで
何もない半端な高さの空を
何も見えない風が吹いてゆくのを
感じるふりをして
耽っている
誰も見ていないのに
誰かに見られているよう
あなたではない誰かが
あなたに報告してくれそうで
愛しているといえなくなった日に
周りに流されなかった
過去の一シーンを繰り返し思い描く
あなたはそこに居なかったけれど
いつかあなたと出会う日の
準備をしていたあの日
愛しているといえなくなったのには
どんな訳があるの?
誰も訊いてくることはないけれど
誰かがあなたに報告してくれそうで
何もない半端な高さの空を
何も見えない風が吹いてゆくのを
感じるふりをして
耽っている
と訊かれても
意味がわからなかった
その意味が
今は分かるようになり
人に
尋ねることさえしてしまう
これ、いらないの?
欲しくないの?
じゃあ
あげないよ
意味が分かるようになって
分からないことが
増えていった
はおま?
にーやお?
るーぐおにーしゃん
ばーぅおーそんげいにー
答えを
知らず知らず予想してしてしまうことも
うまくやるコツだと
教えられ
言葉の籠を背おって
切り立った霧の崖に登る
ここから
飛び降りるときの話
言葉の意味と私は
どちらが先に落ちていくだろうか
答えは分かりきっている
だんらん
・・・・・
おふこーす
・・・・・
ちゃお
ネコが歩く
熊のあとを
鳥が
羽ばたく
ネコの上で
あなたが歩く
ネコの横を
わたしは
見てる
歩くの やめて
★ふたつめ
猿の山の広場に
いるのは
黄色い木馬と
赤い木馬
緑の木馬
猿の母さん
子どもを
木馬に乗せるかな
あっ
子どもは
ひとり勝手に飛び乗った
木馬がゆらり
重みで揺れた
猿の母さん
楽しそう
木馬は揺れる
お猿を乗せて
何を考えてるの?
揺れながら
木馬は
★三ツ目(小僧)
三つ目は、いつの間にかそばにいる「三ツ目小僧」のお話。
私には
生まれ時から
目が三つある
おでこにある目は やっかいで
髪の毛が 入っていつもかゆくなる
だけど
どの目も大切な目
シャンプーの時は
全部つぶらなければならない
だけどいつも
右の目を閉じるのを忘れて
痛い思いをする
左の目は
一番視力がよくて
天文学者がやっと発見した星だって
あたりまえに見える
右目は普通の目
ふつうの人間の子と同じ
おでこの目は
何が見えると思う
あなたの顔が見えるんだよ
ここに居ないのに
おまけ
三ツ目小僧は女の子も居ます。小僧ってよくないと思う。
パンダより珍しいけど、動物ではないので動物園には居ませんが、見に行くことはあります。
やわらかいのは
こっちだよ
ぼくは いいんだ
こっちがすきなの
ぞうさんの
おとうさん
ぞうさんの
こども
おはなししながら
ごはんをたべる
おはなを
じょうずにつかってね
こっちのくさも
おいしいよ
ぼくはこっちを
たべてるの
おいしい
くさを
いつまでたべる?
たべたら
おひるね
するのかな
大事なものなら
すでに持っているはずだと
手放すことはなかったと
と そこまで思って
手放さないでも
向こうから無理矢理離れていったことはあった
と思い出した
だが
大事なものを
自分から手放したことはないはず
と いうことは
今も持っているはず
だが
それは何か
分かった
大事なものが
なんだか分からない自分が
きっと 一番大事なもの
だが
あなたはしらけた様子
ああ そうだ 大事なものは
しらけて
機嫌の悪くなった
しらけていないあなた
そして
あなたが愛する人
あなたが愛する人が
愛しているあなた
そこに
私は居ないけれどね
それが
残念
寒さを振り切るように
バス停からの道を勢いよく歩いて
帰ってきたけれど
あなたはまだ外のどこかに立っている
私のことを
待っているわけではないけれど
こたつに足を投げ入れてみたり
お風呂のお湯をかき寄せてみたり
パジャマのボタンを全部留めたりしているけれど
私の体が求めているのは
暖かさではない
寒さは
あれから黙ったまま
外に立っている
いや
立っているだけではなく
思い出の場所や
知らない場所を歩き回っている
歩き回っては
誰かの襟からその手を
暖かい背中や胸へ進入させている
私は考えたくても考えられない
正しい行いと誤ちが
天秤の上で釣り合って
どちらがどちらでもよくなってしまう
その天秤さえ
天秤の上に乗っている
行ったり来たりしていて
最初にどっちにいたのか分からなくなった
カウントダウンしているのか
それとも
経過時間を計っているのか
それとも
それは同じ意味なのか
ミカンを剥きながら
柿の種を食べる
あなたのことを思いながら
私の未来予想を繰り返しながら
寒さは私の味方?
やはり
あなたから逃れようとしているけれど
あなたのことが
気になっているけれど
好きなわけではない
−−−愛しているといえなくなった日