2013年2月11日月曜日

言いたかったこと

残された時間はすくない
よくききなさい

そう言って何も語らねうちに
死んでしまった

目を閉じて訊ねてみる
なにか言いたいことがあったのですか

そう どうでもよいような
そうでもないようなことが
たくさんあった
でも
みんな忘れてしまった

だからー
なにが言いたかったのか
想像してみてくれないか

私は思った
きっと
わがままがいちばん言いたかったのだと

2013年2月10日日曜日

私はほぼひとりで居る


あなたの前に私は滅多に居たことがない
私はほぼひとりで居る

ほぼひとりで居ると
自分の考えが中心となっていく

その自分は
他人を思いやりたいと思っている

思ってはいるがどうすればいいのか分からない
分からないままに過ごしている

するとやはり自分の考えしか見えてこない
私は思う
「あの人はこう思うだろう」と

あの人はよく私を思い遣ってくれるが
私のことが分かっているのだろうか

訊いてみたいけれど
どう訊いたらいいか分からない

それもあって
きょうも私は
やはりひとりで居る

2013年2月9日土曜日

Inflame a grumbling to be updated will be

Inflame a grumbling to be updated will be

あっ、いや、

天才バカボンがテレビで放映されている

竹筒に切り花を活けて
蛍光灯の色温度をきにしつつ

Needed to come over
I'm going to each other get you
It wouldn't be good
Wayland theater who took the picture in effect

天才バカボンのパパ
じーっと見ていた

そんなこともですか
Didn't Kosina

2013年2月8日金曜日

友だちが病気になって


友だちが病気になって
連絡がしづらい
友だちは急に
元気になり
友だちと騒いだりしているから

友だちが病気になって
連絡がしづらい
友だちは急に
入院して
面会謝絶になるから

友だちが病気になって
連絡がしづらい
友だちは急に
やってきて
僕は都合が付けられなかったから

友だちが病気になって
連絡がしづらい
友だちは急に
やさしくなって
どうしたらいいのかわからなくなるから

友だちが病気になって
連絡がしづらい
友だちは急に
恋人のようになって
後ろから抱きつくのを我慢したから

2013年2月7日木曜日

B面の気分


ケーキ工場の駐車場からビートたけしが帰っていく
それを見送る
きょうは著名な作詞家もやってきたのだ
彼はもモグモグと豆菓子を食べながら一人で車を運転してやってきた
踏切と畑の向こうから

ビートたけしをたけし軍団の1人と一緒に見送ったあと
社員が出てきて「社長期待していますよ」って私に言った
きょう聞いたラジオ番組の内容はB面特集だったが
いまそんな気分だ
日本
55445
アメリカ
4878
ロシア
945
マレーシア
392
ドイツ
156
イギリス
118
カナダ
45
大韓民国
37
フランス
35
ラトビア
32

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2013年2月6日水曜日

私の人生これで終わり

私の人生これで終わり

つぶやいて
侘しさを味わい
悦にいってみた

一人旅の部屋で
街の音を遠くに聴きながら
また
つぶやいた

これから始まるのさ
私の楽しい人生

しらけ鳥が飛んで行くという歌を
モゴモゴ歌ってみたけれど
何も変わらなかった

私の人生これで終わり

また
声に出さずに
つぶやいてみた

2013年2月5日火曜日

古の都市が

息ができないほど
目を開けていられないほど
空気がザンザンときしんでいる

鳥も耐えきれずギュウギュウ鳴いて
空へ羽ばたこうとしない

誰がこのようなことをしでかしたのか
無責任な風が
教えてくれる

都市の煙突にLED照明を飾り付け
浮かれて見せても
もともと浮かれている人が乗ってくるだけだ

空気がザンザンときしんでいる
人の涙が枯山水を流れ
古の都市が洪水に見舞われている

2013年2月4日月曜日

スイカジュースを飲んだあとで

スイカジュースをごくごく飲むと
懐かしい町をおもいだす

懐かしい町の
懐かしい通りの曲がり角

曲がり角を曲がって
青い山に向かって歩いていった

その先には
ありふれたことがあるだけだったけれど

スイカの香りは
ほかに例えようのない
いい香り

ふる里の土のにおいと
多分 仲がいい

私は何と仲がいいのだろう
大好きな先輩に聞いたら
邪魔が入ってかき消された

またいつか
聞いてみよう
スイカジュースを飲んだあとで

2013年2月3日日曜日

彼女の印象(スケッチ)

名前を呼んでも彼女は振り向かないだろう
彼女は名前を換えたから
名前を換えて記憶も消したから

彼女は水辺に佇んで背中を向けている
背を向けて自分の気持ちにも背を向けている
水面に彼女が男に犯されたシーンが繰り返し映し出されているが
彼女にはそれが見えない
もう当り前の風景の一部になっていたから

彼女はいま感傷に浸っているのではない
もちろんなにか夢見ているのわけでもない
彼女はこの風景に溶け込んでいるだけだった

たまに微風で感情が波打ちそうになるのだが
気圧と仲良くなってそれを抑えようとしていた

時は一瞬だった
たとえば写真の一枚のように
たとえば一度の瞬きのように
もう二度と訪れようとしなかった

私は振り返る
彼女の眼を
前から覗き込んだときのことを
彼女は裸だった
なにもその躯にまとっていなかった

弾力とぬくもりが渦巻いて
私を巻き取った

わたしは今
近寄らずに彼女を見ている
彼女は自らの宇宙に
アクセスを試し続けている