3年前の次の日。2010年8月30日。それまで世間との関わりを最小限にして生活してきたが、また、詩を書いて世間と繋がることにした。世間のうちの半分は自分という得体の知れない身近なやっかいものだ。
世間と繋がっていいものか。幾人かの知り合いは「名前を出さないほうがいい」と言った。また幾人かの知り合いは「気にせずどんどんやるべきだ」と言った。当時はそういうことさえ、難しい、重要な問題に思えた。
公開で、フィクションの詩日記を書くだけ。そういう「言い訳」を用意して、書きはじめた。なんて小さな、つまらない自分。読者は知り合い数人だった。
2013年8月29日。きょうでまるまる3年間続けたことになる。この3年間で、ずいぶん変化したこともあるし、変わらなかったこともある。過去の自分に戻ったこともある。一生懸命やったが、うまくいかなかったり、へこたれたり、ひねくれてひきこもったりした。丸3年なんて、とるに足らない価値かもしれない。だが今の自分にとっては、大事な勲章だ。(勲章なんて、いいものじゃないけれど)。
2008年、自ら創業した事業の経営破綻で、多くの人を傷つけてしまって以来、そのことにどう向き合ったらいいか、なにをしたらいいのか、いつも心の底で考えてきた。堂々巡りを繰り返す中、少しずつ冷静に、ディテールがみられるようになり、いまも発見することがおおい。
そんな中、毎日書き続けていると、詩に対する思いは強くなり、強くなるにつれ、問題意識も強くなっていった。詩を特別視している自分に、つぶしのきかない、異様な「弱さ」を感じるようになった。詩と自然にふれあい、自然の一部のように詩とつきあいたい。そういう思いが気持ちを満たしていった。それは、詩ではない、人間の心と深く関わりたい、という願いであると気づいた。
いま、私が抱えている問題は、どこでどのようなものに結実していくのだろうか。この場は、小さく、見えないほどか細く、隅っこにある存在だけど、役立つのではないかと感じている。答えはいつも「いま」のなかに「問い」の形であり、いつまでたっても答えが出せない予感が寄り添っているが、見てくださっている皆様と、人として生きるすばらしさを発見していけたらと思っている。
2013年8月29日