2013年11月24日日曜日

りんりんりんりん


りんりんりんりん
夜の街に
太陽がいないなら
君が代わりに
りんりんりんりん

はい、おしまい

りんりんりんりん
尖った貝殻
貝に見捨てられ
砂に沈んでいく

はい、おしまい

りんりんりんりん
世の中と
仲間になると
混ざってねっとり

はい、おしまい

りんりんりんりん

りんりんりん
りんりんりん

2013年11月23日土曜日

11月の集会




たまにはみんなで集まって
ワイワイガヤガヤやりましょう
知らないひとがまざっても
きょうは仲間にいれましょう

たまにはみんなで集まって
普段のことを話しましょう
知らないひとがきいたなら
おもしろいなとおもうでしょう

たまにはみんなで集まって
好きなことだけ話しましょう
お喋りするのに夢中なら
自然と夕日は落ちるでしょう

たまにはみんなで集まって
笑顔で手を振り別れましょう
また会いましょうと口々に
後ろ歩きで帰りましょう

2013年11月22日金曜日

だれかかくれているのかな


きのかげに
だれかかくれているのかな

いいえ

だれもかくれて
おりません
われたきいろいふうせんが ひとつ
おちているだけ

へいのむこう
だれかかくれているのかな

いいえ

だれもかくれて
おりません
みずたまりが かぜにゆれて
わをかいているだけ

くものうえ
だれかかくれているのかな

いいえ

だれもかくれて
おりません
なみのおとが とおくにきえてく
ばしょがあるだけ

2013年11月21日木曜日

朝が来ています

夜になると暗くなります
暗くなると夜になります
夜になると夜ご飯を食べます
夜ご飯は夜に食べます

朝になると明るくなります
明るくなると朝になります
朝になると朝ご飯を食べます
でも朝ご飯を食べなくても
朝は来ています

朝が来なくても
朝ご飯がない部屋にも
朝が来ています

2013年11月20日水曜日

5ぶんの3

きょうはふだんしていること
ぜんぶさぼって
でんしゃにのればしらないまち
そこからさらにすたすたあるいて
やねをしたにみて
ロープウェイにのれぱ
わたしのすむまちがひろがる
さらにそのむこうにこうそうびる
うみがけしきのいちばんうえに
よこたわっている

でんしゃでがっこうにかよう
しょうがくせいは
かばんにけいたいをぶらさげて
ピンクのけいとであやとりしてた
どんなちえをまなべは
しあわせになれますか
おしえてよ

やまのうえのどうぶつえんの
かこいのなかのしか
おおきなひとみが
わたしをみると
なにかこたえをいいたくなるよ

きょうはいつのまにかひぐれ
わたしははじめてはいったきっさてんで
せかいのりょうしんとあくいについて
かんがえていたが
イチゴジュースをすいこむたびに
かんがえはきりかわっていく

とおくで
きらきらひかっていた
かわのながれ
いま
めをつむるとわたしのなかにあるが
わたしはそれをぬすんできたの?
いや
まもっているだけだ
いいきかせて
みせをでて
じぶんのへやをめざして
いともくさんににかえりつく
そんないちにちの

5ぶんの3

2013年11月19日火曜日

いのち

はねている
はずんでいる
きみのからだ
なかからだれかが
でてきそう

ふくらんでる
ひかってる
きみのほっぺ
いつかほおずえ
つくのかな

みつめている
おいかけてる
きみのひとみ
きづかれたって
へいきなんだね

ないている
わらっている
きみのまいにち
いつまでも
しゅじんこうでいて

2013年11月18日月曜日

進むのだ

失敗しても進むのだ
できないだろうと思っても
やりたいことは覚えてる
どんなに邪魔が入っても
泥道雪道いばらの道も
ズンタカタッタ進むのだ

失敗しても進むのだ
やりたくないと思っても
やりたい気持ちはここにある
煮え湯のまされ干されても
砂漠も荒野も嵐の夜も
気にせず無心で進むのだ

失敗しても進むのだ
心が痛みつづけても
鼓動が打っていればいい
裏切り傲慢ひとでなし
愛するひとから引き裂かれても
あきらめないで進むのだ

2013年11月17日日曜日

くまの子がやって来て

くまの子がやって来て
私の顔を覗きこんだ
不思議そうな顔をしているけど
くまには「不思議」がわかるだろうか

私はそんなくまの子をみていたら
前よりすこし元気になって
元気になったら
途端に誰かと会いたくなってきて
さっさと身支度して玄関から飛び出した

冬の空気がつめたくて
なんだか清められたような気がする
電車に乗ると
私とおなじようなコが
ひとりで揺られている
いち に さんにん

「いちもくさんに走る電車だな」
電車はきっと急いでいるのだ
私は急ぎたくないのに
でも
早く降りる駅に着くことはいいことだ
たぶん

待ち合わせの場所に着くと
相手はまだ来ていなかった
くまさん
あなたのおかげで
私は外に出て
誰かと待ち合わせしている
きっともうすぐ来るだろう
笑顔で近づいてくるだろう

すると
そこに
くまの子がやって来て
私の顔を覗きこんだ
不思議そうな顔をしているけど
くまには「不思議」がわかるだろうか

2013年11月16日土曜日

冬が来る

夜空に雲がながれ
枯れ葉が舞い落ちる冬が来る
コートのポケットに手を突っ込んで
足早に駅に向かう冬が来る

あたたかい飲み物を
すすって飲んでみたくなる冬が来る
過去の思い出を1枚の絵にして
次々とめくっていきたい冬が来る

白い息を鼻と口から吐く
それが恥ずかしい冬が来る
風呂に入るとき
膚がジーンと浸みて湿ってゆく冬が来る

いじめられっこが
いつまでも視界から消えない冬が来る
いつなんのために生まれたのか
母に尋ねたことも忘れ果てた
冬が来る

2013年11月15日金曜日

あのひとが
笑ってくれたから
きょうはいい日

あの人が
怖い顔をしていたから
きょうは悪い日

あのひとが
悲しい顔をしていたら
それはどんな日?

それは・・・

それは
私が少し
期待に胸を膨らます
いい日

悲しさを癒して
嬉しい顔をしたい

私の嬉しい顔に
会いたい

そう思っているのは
私だけ?

もしそうだったら
暗い顔をして
泣いてしまう

その顔に
飛びついてきて
やさしくしてくれる人は
いま
どんな顔を誰にみせている?

その誰かは
じつは
私かも知れない