くさぼうぼうの
のはらをあるく
くさをふみしめ
くさをけちらし
こんなゆうきが
あったのだ
くさをきにせず
ただただすすむ
うそつきの私
キツツキがすき
傷つきやすいから
キスするなら
気をつけてね
キツツキの私
キツネと月がすき
ツキが回ってきたら
羽根つきの音で
つつきます 木
傷ついた私
傷つけたキミ
スキマをうめて
きっとうちあけてね
うそつきは禁止
すりガラスごしに
見える
あれは
稲妻が
縄跳びしているんだ
こっそり
場末の路地でやっているつもりなのだろうが
体がおおきいので
地上の人間たちには
もちろん感づかれてしまっている
(いつもそうだ)
稲妻が縄跳びする時は
何かの悲しい知らせを聞いた時と決まっている
寂寞が空を覆い(時に夕闇、時に青空だが)
ひと面の舞台が出来上がる
(誰かに教えたいが
教えるべき相手がいない)
稲妻の縄跳びは
針金の閃光(せんこう)が
浮いた魂を引っ掛けようとする
引っ掛けて
つれ回しもせず黄泉の国へと
持っていくのだ
すりガラスごしに
見える稲妻は
人情と通じているが
決して馴れ合いを許さない
薄暗い部屋で
床に座って
稲妻が縄跳びしているのを
見ていると
前にこんなことがあったのだと
思い出してくる
かかとが堅い
そして皹(ひび)が入っている
稲妻は
縄跳びをやめない
許しが出ないからではない
自らを嗜(たしな)めるためにやっているのだ
いつか
まりを持った少女が
私を見上げて
何か言っていた
あのことばに
行き着く
その言葉は
くり返し
轟音にかき消され
裂かれ続けている
私は水たまりの泥
水面の向こうの空を見上げている
視界を遮り
私を飛び越えていく
あのめそめそ女の
顔は分からない
遮った闇に消えていく白い脚が
月のようなその肌触りを
私に落としていくだけ
自分の狭い視界にものを押し込めて見ることを
あたりまえもように学んで
おとなになった
おとなは子どものように
ものを見ることができない
子どもも
おとなのようにものを見ることができない
だが
わがままな神さまのように
ものを見ることができる
そんなことできっこない
と おとながいう
でもやってみたい
と 子どもがいう
そんな会話をなんどくり返してきたことか
夕暮れ時
まだ帰りたくない
明日はなにして遊ぼうかな
と 子どもがいう
神さまがそれに続けていう
明日はなにして遊ぼうかな
まあ あした考えればいい
段取りなんかはおとなに任せて
家に帰ってゲームしてあそぼう
そして
流行の戦闘ゲームのボタンを押した
靴がキュッキュッとなって
近づいていくとばれちゃう
もうきみはその音をきくと
よろこんじゃう
きみに抱きつくまえに
ぼくもきみもよろこんでいるから
あとすることは
ナイショのことだけ
キュッキュッ
月も沈んだ道を
帰っていこう
サイレンがなっていた
サイレンは遠ざかっていった
いまは耳の奥で鳴っている
いつのまにか
なつかしい唄と混じって
唄のゆりかごとなって
若い母が揺らしている
ゆりかごの夢
あなたと初めて会った日
誰かにあなたの名前を聞きました
夕日を背にしてさびしそうなあなたに
名前をつけて呼んだのは自分
という錯覚
作り上げたものが
使えなくなります
いいものを作ったと自慢していたのに
もう使わないほうがいいのです
みんなで作ったものでも
ひとりで作ったものでも
そのことには関係なく
使うかどうかは
限られた人が決めるのです
使うことに不都合が生じました
期限のあるモノは廃棄しなければなりません
どうぞよろしく
あなたが喜ぶ答えはありません
怒りたい気持ちは満足させることでしょう
でもそれは刹那
そして皮肉でもあります
だんだん
私が誰なのか分からなくなってきました
みんな溶けて混ざっていってしまうのでしょう
その前兆
それならばせめて
意識のあるうちに
まともな 建設的なことを言いたい
でも言えない
それも分かっています
したり顔のおとなですから
想定外というのも
もちろん想定内のウソですから
小さい声で
唄っているのですね
だんだんと
大きな声になっていって
あなたもぼくもその歌に飲み込まれてしまいましたよ
歌の世界は透明で
外の景色が綺麗に見えて
人の心を信じたくなる
魔法の部屋ですね
遠くに連なる山々
遠くで鳴っている波音
子どもを呼んでいる声
水たまりをバシャバシャする音
木が揺れて葉が擦れる音も
やさしくささやきかけてきます
あなたは歌の世界に住んでいる人
私はたまにくる客人
小さい声で
唄っていたあなたに
気づかれないようにしたいけど
つい気づいて欲しい気持ちが勝ってしまう
ごめんなさい
きょうも訪ねてきてしまって